良い参考文献を見つけるには?

November 27, 2020 Yuuki Nishiyama 0 Comments

学生とミーティングをしていると、参考文献として「筋の悪い文献」を引っ張ってきている人が割と多い。各研究者それぞれの調査方法があると思いますが、私が意識している文献調査方法をまとめておきます。

改めて整理してみると、様々な検索ツールが存在していますが、それら複数のツールをどのように使いこなすかは、初学者にとっては難しい印象。各ツールそれぞれに特徴があると思うので、目的に合わせて使い分けが必要。

  • まずは「何を探す」か「今何故それが必要か」を整理する。(無闇にGoogle Scholorにキーワードを突っ込むな。それは迷宮への入り口だ
  • 分野のキーとなる学会・論文誌・研究者・テーマの把握する(先輩や教員に聞くと色々教えてくれるぞ!
  • 研究分野の「幹」となる論文を見つける事を常に意識する(枝葉の研究は、初期段階は気にするな。まずは「幹」を把握してから)。被引用件数が多い、著名な研究者が書いてる、有名な学会の論文などが判断基準となる。
  • 効果的(旬)な「検索キーワード」を使え!良い論文のKeywordsはとても参考になる
  • 調べる順番は、以下の順番で調べると良い論文に当たる確率が高い。調べる順番が逆の人が多い。(Google Scholorは最後。Google Scholorは査読無しの論文も拾って来る可能性が高いので、分別が着くまでは使わない方が良いかも)
    1. 教員(先輩)のおすすめ論文
    2. 分野のトップカンファレンス(学会)・ジャーナル(論文誌)の論文リスト(学会・論文誌のウェブサイトにアクセスすれば取得可能)
    3. 著名な研究者の論文
    4. 国際学会のデジタルライブラリ(コンピューターサイエンス分野は、サイクルが速いので、論文誌より国際学会の方が最新の論文をキャッチしやすい)
    5. 文献検索サービス
  • 文献調査は、「研究分野(研究史)把握期」「トレンド把握期」「(研究テーマ・アイディアを考える時期)」「詳細比較期」「キャッチアップ期」に分けて調べ方を変化させる。
    • 「研究分野(研究史)把握期」では、広く浅く、核となる文献と分野の変遷を把握することに集中する。入力したキーワードの30件の論文のタイトル・柀引用件数・発表年・著者・所属研究機関・概要・結果をチェックする。核となる論文を年代別に並べるのも面白い。点+線
    • 「トレンド把握期」では、その分野のサーベイ論文が見つかればベスト。それを読むだけである程度の分野の変遷を理解できる。無い場合は、自分で作る。線→太線
    • 「詳細比較期」で読んだ論文はGoogle Spread Sheet等で長所や短所・アプローチ・実験手法・結果等を簡単に比較できるようにまとめておこう。論文執筆の際に非常に役に立つ。太線 (+ 線) vs 新しい線
    • 「キャッチアップ期」では、ある程度分野の流れが理解できている状態だと考えられるので、最新の論文をチェックしてトレンドの現状と変化を確認する。太線の続き
  • 関連研究は敵では無い。自分の研究を論理的に補強するための重要な要素の一つ。同じ研究テーマの論文が出てきても投げ出さない。必ず差異はある。むしろ先行研究の成功・失敗から次のアプローチを考えることができるのでラッキーだ。
  • 「生の声・顔」は文献調査をスムーズにさせる。可能な限り生の発表を聞こう。そしてできるだけ直接コミュニケーションを取ろう!自分の研究に関する質問を受けて、嫌な気分になる研究者は居ない。

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